ABB日本ベーレー、日本市場でVPPソリューションを本格展開:エネルギー管理
ABBグループのABB日本ベーレーが日本市場向けに「バーチャルパワープラント(VPP)」ソリューションを本格展開。欧州などでの豊富な導入実績に基づくノウハウを国内向けに展開していくという。
ABBグループのABB日本ベーレー(静岡県伊豆の国市)は2018年3月8日、バーチャルパワープラント(VPP)向けソリューション「ABB Ability Virtual Power Pools」を日本市場向けに展開すると発表した。分散電源の統合管理と最適化、発電量予測、電力取引市場との連携など、VPPの構築に必要なさまざまなアプリケーションを提供するとしている。
再生可能エネルギーの普及や電力自由化の進展で、日本国内でもVPPの構築に大きな注目が集まっている。ABBでは、これまで欧州8カ国に点在する5140以上の電源ユニットを統合し、規模にして約4000MW相当のVPPを構築した実績がある。ドイツ・トリーアでは、風力・太陽光・バイオマス発電、熱電併給プラント、蓄電池、電気自動車などから成るVPPを構築。スウェーデンのヴェステロース市では、水力発電、地域の電力系統、上下水道など、電力以外のインフラも含めた統合管理システムを構築した実績を持つ。
ABB Ability Virtual Power Poolsの標準パッケージには、発電所の運転などを最適化するスケジュール機能、ユニットコミットメント機能、バランシンググループの最適化運用機能、需給バランス指令、熱と電力の最適化機能、マルチエネルギーサイトの最適化機能、デマンドレスポンス機能、配電網との自律運用機能が含まれている。顧客ごとのカスタマイズも可能だ。また、複数の工場や発電所を統合管理し、エネルギーコストやCO2排出量を削減するといったソリューションも可能という。
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