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既設水力の改修で3000kW増加、年間約1770トンのCO2削減:自然エネルギー
北陸電力の有峰第二発電所(富山市)は、水車羽根車の取替など設備改修を行うことで、発電出力が3000kW(キロワット)増加した。一般家庭約960世帯の年間使用電力量に相当する電力量の増加と、年間約1770トンのCO2排出量削減を見込む。
北陸電力は、このほど常願寺川水系の有峰第二発電所(富山市)で設備改修を実施し、発電出力が3000kW(キロワット)増加したと発表した。これにより、同発電所の最大出力は12万kWから12万3000kWに増加。電気事業法の規定に基づき発電事業変更届出書を経済産業大臣へ届け出た。
有峰第二発電所は1981年7月に運転を開始し、立軸単輪単流渦巻フランシス水車により三相交流同期発電機を駆動し発電を行う一般水力発電所。今回の設備改修では、水車羽根車の取り換えなどを実施した。設備改修に伴う年間発電量の増加は、一般家庭約960世帯の年間使用電力量に相当する約300万kWh(キロワット時)で、CO2排出量削減効果は年間で約1770トン改善されるという。
北陸電力は電源の低炭素化の取組みの一つとして、水力発電の拡大を目指し既設設備の改修を積極的に推進している。今回の出力増により、2007年度対比で累計約1.48億kWh/年の水力発電による電力量増加を達成し、2025年度までに同2.4億kWh/年を目標とする。同社は、引き続き再生可能エネルギー導入の拡大などにより、低炭素社会の実現に取組む方針だ。
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