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シャープが世界新、単結晶Si太陽電池セルで効率25.09%:太陽光
シャープが6インチサイズの単結晶シリコン太陽電池セルにおいて、世界最高という変換効率25.09%を達成。ヘテロ接合バックコンタクト構造が特徴だ。
シャープは2018年3月、6インチサイズの単結晶シリコン太陽電池セルにおいて、世界最高という変換効率25.09%を達成したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」の一環として開発したもので、電気安全環境研究所(JET)が変換効率を測定。6インチ大の太陽電池セルの全面(240.6cm2)を対象に測定したという。
開発した太陽電池セルは、同社の太陽電池モジュール「BLACKSOLAR(ブラックソーラー)」のバックコンタクト構造と、単結晶シリコン基板の表面にアモルファスシリコン膜を形成するヘテロ接合の技術を融合した「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を持つ。
バックコンタクト構造は、電極を太陽電池の裏面に電極を配置することで、受光面積を広げ、発電量を高められるメリットがある。ヘテロ接合技術は物性の異なる半導体材料を接合する技術。結晶シリコンとアモルファスシリコンの組み合わせによる欠陥低減や、電気に変換できる光の波長が異なる材料を組み合わせることができ、変換効率を高められる。
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