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太陽光パネルの下でニンニク栽培、千葉県でソーラーシェアリング:太陽光(2/2 ページ)
千葉県で新たに太陽光発電と農業を両立するソーラーシェアリング発電所が稼働。太陽光パネルの下ではニンニクを栽培する。
ニンニクを選んだ理由とは?
今回、栽培作物に選んだニンニクは、現在全体の59.4%を輸入に頼っている(農林水産省「農林水産物輸出入統計」より)。そのため、農産物の国内自給率向上への貢献、市場のニーズがあり、加工も視野に入れたときに高収益化が見込みやすい。加えて、市場や周辺農家のバランスを崩さない作物、管理の手間が容易であり、機械化による省力化も可能で発電設備の下でも比較的安定した栽培ができる可能性が高いなどの理由から選定した。
今後は、農業人口の減少や高齢者向け健康志向食品のニーズの拡大などを見据えて、農業の高収益化や省力化のための設備投資、農業人材への教育投資、農業スタートアップの支援などを行っていくという。
千葉エコ・エネルギーによると、国内で大きく注目されつつあるソーラーシェアリングが全国で1000件程度しか普及していない背景に、発電事業と農業の両立を図るためのノウハウを持った事業者が少ないことが挙げられるという。同事業の開発過程や今後の設備下での自社農業で得られる知見を用い、未稼働案件の事業化サポートだけでなく、既稼働のソーラーシェアリング設備下での営農サポートや、千葉県を中心とした関東圏内での自社農場の展開を進める。さらに、アグリ・エナジープロジェクトの中で、自然エネルギーを活用した次世代農業に関する基礎研究農場としても同事業を活用し、脱FIT時代に向けた農業における自然エネルギー自家消費モデルの構築を目指す。
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