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急増する太陽光発電の「雑草トラブル」、知っておきたいリスクと対策基礎から学ぶ太陽光発電所の雑草対策(1)(3/4 ページ)

日本でも稼働から数年が経過する太陽光発電所が増える中、課題の1つとなっているのが雑草対策だ。太陽光発電の雑草対策を手掛ける野原ホールディングスが、知っておくべき雑草に関する基礎知識や対策方法を解説する。

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発電事業者が注意すべきは「間接リスク」

 実は、事業者にとっての要注意項目は「間接リスク」です。これは、例えば「発電量の低下」といったように、分かりやすく問題が顕在化せず、目に見えない場合が多いためです。見えるかたちに顕在化したときには、既に被害が拡大したため手がつけられない状態になり、トラブルの連鎖を引き起こす場合も多くありません。


間接リスクのイメージ

 発電事業に与える間接リスクの事例として、以下の2つを上げます。

事例1:草刈機によるケーブル切断、ケーブルダクトの破損被害

 最近では1000V、1500Vなど高圧仕様の太陽光発電所が増えているため、影による発電量低下の悪影響(直接リスク)だけでなく、草刈作業者の感電事故や短絡が原因の火災が懸念されます。金属管やコンクリート二次製品でケーブルなどを保護していれば発生しにくいトラブルですが、発電所では樹脂製ダクトが多く使用されていること、さらに雑草でケーブルやケーブルダクトが埋没して全く見えない状態になっていることも多いです。

 発電事業者の労働安全衛生管理は重要な管理項目なので、委託業者任せの管理だけでなく、発電事業者自身による安全と衛生の管理と対策が求められます。人身や火災の事故予防策や発生時対応は、重要な対策項目になります。

事例2:フェンスの倒壊、傾き被害

 フェンス一面に雑草が植生したため、フェンスの風通しが悪くなり、強風によりフェンスが倒壊または破損、傾くなどの被害が発生した――。雑草対策でよく問い合わせがある内容の1つです。


フェンス一面を覆った雑草

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