バイオマス由来水素を燃料電池トラックに、トヨタとシェルが北米で:電気自動車
トヨタが米シェルと共同で米国カリフォルニア州に大型の水素ステーションを建設。商用の燃料電池トラックへの水素供給に活用する。
トヨタは2018年4月19日、米シェルと米国カリフォルニア州ロングビーチ港における水素ステーションの建設に向けて協力すると発表した。燃料電池トラック(FCトラック)向けの向けの大型水素ステーションになるという。
この計画は港湾・倉庫・配送拠点における水素・充電インフラの整備を支援するカリフォルニアエネルギー委員会(CEC)の「Alternative and Renewable Fuel and Vehicle Technology Program」において、800万米ドルの補助金交付の候補に選出された。正式に承認された場合、シェルは、同港湾におけるトヨタの物流拠点に、商用トラック用の大型水素ステーションを建設し、シェルのステーションとして運営する。トヨタは2017年10月から同港湾エリアで大型の商用FCトラックの実証運転を進めており、こうした車両の燃料充填(じゅうてん)に利用する計画だ。
トヨタは水素ステーションに対し、燃料電池発電事業を手掛ける米FuelCell Energy社と同港内に建設中の発電施設「Tri-Gen」で、バイオマスから製造した水素を供給する計画。Tri-Genは、2.35MW(メガワット)発電が可能な燃料電池を利用した発電所と水素ステーションを併設する施設。カリフォルニア州の畜産場の家畜排せつ物や汚泥などの廃棄物系バイオマスから水素を製造するのが特徴で、2020年の稼働を予定している。
トヨタとシェルはともに2017年1月に発足したHydrogen Council(水素協議会)のメンバーであり、2017年9月には、ホンダとともにカリフォルニア州北部における水素ステーション7カ所の新設を発表するなど、米国を中心に、水素インフラの構築での連携を進めている。
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