34kmの地中送電を行う大規模風力発電所、青森県で2020年稼働:自然エネルギー
青森県つがる市で122MWという大規模な風力発電所の建設計画が進んでいる。発電した電力は約34kmの地中送電を行う計画で、これらの送変電設備および工事を住友電工が受注した。
住友電気工業は、鹿島建設から「ウィンドファームつがる建設工事」の送変電設備および工事を受注したと発表した。同プロジェクトは、再生可能エネルギー事業者大手のグリーンパワーインベストメント(東京都港区)が青森県つがる市で計画する陸上風力発電事業。2020年4月の運転開始を目指している。住友電気工業は地中送配電線・受変電設備など電気設備の設計・製造・設置を一括で担当する。
同プロジェクトは、各風車からの発電電力を33kV(キロボルト)の地中配電線で集電し、154kVに昇圧した後、電力会社との系統連系地点までの約34kmを地中送電する設計となっている。長距離送電では送電ロスが課題となる。住友電工は当初予定されていた66kV送電から154kV送電への電圧変更について設計支援を行った。これにより、66kV送電時と比較して送電ロスが大幅に低減でき、加えて回線数の低減およびケーブルの小サイズ化(軽量化)により管路土木工事への負担も軽減できるという。
発電所全体の出力は約122MW(メガワット)となる大容量の発電出力を長距離地中送電するために、高調波対策や過電圧対策など系統技術課題への対応も必要となった。これらの課題に対しては、同社グループである日新電機(京都市)と共同で系統解析を実施し、最適な設備形態の提案を行った。日新電機は受変電機器をはじめ、高調波電流対策に用いる交流フィルターメーカーとして系統技術課題を解決する各種機器を提供する。
施工を担当する住友電設(大阪市)とは、集電・送電を合わせて56kmに及ぶ地中埋設管露計画について、適正なルートを選定するための調査や許認可取得のための協議、各種申請書の作成をサポートした。
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