新型架台と蓄電池を導入、北海道に21MWのメガソーラー:太陽光
スマートソーラーが北海道で建設を進めていた蓄電池併設型のメガソーラーが稼働。合計約9MWhの蓄電池と、地形の起伏に対応しやすい新型架台を導入した。
スマートソーラー(東京都中央区)が、北海道新ひだか町で建設を進めてきた「新ひだかソーラーパーク」が2018年3月から運転を開始した。
新ひだかソーラーパークは、スマートソーラーが5年前より開発を進め、プロジェクトファイナンスにより資金を調達し、2016年8月に建設を開始した。事業主は、合同会社SSひだかの森で、建設工事は関電工が請け負った。21MW(メガワット)の太陽電池パネルと容量1286.7kWh(キロワット時)のリチウムイオン蓄電池7ユニットで構成する、特別高圧・蓄電池併設型のメガソーラーとなっている。
北海道電力管内の特別高圧案件での連系条件は、蓄電池を併設し、出力変動を1%以下/分に抑制すること。そして、無制限・無保証の出力抑制が30日を超える可能性があることが条件となる。同発電所はそれらを全てクリアしており、年間の予想発電量は一般家庭約6500世帯分相当の年間使用量に相当する2260万kWhを見込む。
太陽光発電は、雲など日射量の変化により発電電力が大きく変動する。その変動を抑制し、出力制限時の捨てる電力の無駄を少なくするため、スマートソーラーは合計9MWh(メガワット時)の同地区最大規模の大容量リチウムイオン蓄電池を採用した蓄電システムと、制御システムを開発・導入した。
また、太陽電池パネルアレイ配置に関して、旧ゴルフ場の自然の地形を生かし、造成を極力少なく、地形の起伏に対応する3次元架台「スマートアレイ2X」を開発。そこに高効率多結晶太陽電池パネルを7万9536枚取り付け、最大出力が得られるように最適設置した。
さらに100万m2(平方メートル)の敷地に配置された太陽電池パネルを24枚ごとに1グループ(1ストリングス)として、全3314グループを発電電力ごとに色分けし、全アレイフィールドの異常を色の変化で発見しやすくする新しいストリング監視システムを開発・採用した。
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