地域の再生可能エネルギーを供給、埼玉県所沢市に地域新電力:電力供給サービス
埼玉県所沢市に地域新電力「ところざわ未来電力」が誕生。地域の廃棄物で発電した電力や、太陽光発電の電力を市内の公共施設などに供給し、エネルギーの地産地消を目指す。
埼玉県所沢市とJFEエンジニアリング、飯能信用金庫、所沢商工会議所は、2017年11月に合意した「再エネ普及に向けた地域新電力事業に係る包括連携協定」に基づき、このほど、地域新電力「ところざわ未来電力」(埼玉県所沢市)を設立した。
新会社は、地域の廃棄物を利用した発電や太陽光発電など、再生可能エネルギーを主な電源とする。2018年10月から所沢市が保有する公共施設へ順次電力供給を行うとともに、民間の高圧需要家に対しても電力供給を開始する予定だ。なお、資本金は1000万円で、出資比率は所沢市51%、JFEエンジニアリング29%、飯能信用金庫10%、所沢商工会議所10%となっている。
所沢市は、2014年に策定した「マチごとエコタウン所沢構想」に基づき、メガソーラーの設置運営による再生可能エネルギーの導入拡大など、さまざまな取り組みを通じて持続可能なまちづくりを進めてきた。
JFEエンジニアリングは、100%子会社のアーバンエナジーを通じて再生可能エネルギーを中心とした電力供給を行う他、自社開発した電力需給管理システムを生かし、自治体などと連携した地域新電力事業を積極的に展開している。
飯能信用金庫は、財務面などから地元事業者や市民を支えて地域社会の発展に寄与し、所沢商工会議所は、地域商工業の振興を通じて所沢市内の事業者の成長を促進している。
ところざわ未来電力は、4者のこうしたノウハウや地域基盤を活用することで、エネルギーコストと環境負荷の低減を推進し、持続可能な地域社会の形成を目指す。
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