太陽光発電所のリスクをWebで診断、グッドフェローズが新サービス:太陽光
「タイナビ発電所」を運営するグッドフェローズが、太陽光発電所のリスクを診断できるWebサービスを開始。資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン」などに基づいた質問に回答すると、発電所のリスクを4段階で評価する。
土地付き太陽光・風力発電投資物件サイト「タイナビ発電所」を運営するグッドフェローズ(東京都品川区)はこのほど、タイナビ発電所に新たに「Webリスク診断評価」を実装した。所有している土地付き太陽光発電に潜むリスクを4段階評価で評価できる。
近年、全国に太陽光発電所が急増し、これまで想定されていなかった事故や問題が顕在化し、設計ガイドラインや保守管理の重要性が明らかになった。経産省は2017年4月に「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」を改正し、既設を含むすべての発電事業者に事業計画書の提出を義務付けるとともに、保守点検の実施を順守事項に追加した。また、太陽光発電協会(JPEA)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業のもと、2017年6月に「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2017年度版」を策定。これらのことからも、保守管理だけでなく基礎・架台の設計・施工の重要性が今後さらに高まることが予想される。
Webリスク診断評価では、発電事業者は無料の会員登録し、質問に回答してもらうことで、発電所に潜むリスクを4段階評価で知ることができる。診断ロジックは、資源エネルギー庁が公表した「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」を参考にしており、違反している項目やリスクが高いと判断される回答が多いほど、リスク診断評価の結果は低くなる。
診断ロジックは28の必須項目を含む32項目の回答を元にした減点方式を採用した。質問項目では、売電実績のシミュレーション値との差異や経年劣化、基礎の形状なども加味して算出する。例えば「1km以内に海がある」と回答した場合、塩害による劣化のリスクを考慮する。
リスク診断評価でC・Dランクと評価されたユーザーに対しては訪問診断を提案し、リスクの原因調査・解決を推奨する。今後政府による新方針や新しいガイドラインが公表された場合、その都度診断ロジックのバージョンアップし、最適化を行う計画だ。
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