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廃熱を塩づくりに生かす消化ガス発電、沖縄県糸満市で:自然エネルギー
沖縄県糸満市で下水処理工程で発生するバイオガスを利用した発電事業の実施が決定。発電時に発生する熱で温水をつくり、製塩工程で活用する。
沖縄県糸満市と一般企業7社は、糸満市における官民連携によるエネルギーの地産地消実現に向けた「バイオガス(消化ガス)を活用した発電および廃熱活用事業」の事業化についてこのほど合意した。
今後、糸満市とオカノ(那覇市)、沖縄ガス(那覇市)、青い海(糸満市)、ヤンマー沖縄(沖縄県宜野湾市)、沖縄ガスニューパワー(那覇市)、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(東京都港区)およびヤンマーエネルギーシステム(大阪市)は共同出資による合弁会社「いとまんバイオエナジー(仮称)」を2018年9月に設立する予定だ。糸満市浄化センターおよび製塩事業を手掛ける青い海の施設構内に発電事業設備を設置し、2019年4月の商用運転開始を目指す。
同事業は、糸満市浄化センターの下水処理工程で発生するバイオガスを燃料とし、コージェネレーションシステム(CGS)を用いて発電を行い、発電した電気を、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を活用して売電する。売電する電力については沖縄ガスNPを介し、糸満市工業団地の需要家などへ供給するとともに、発電時の廃熱から温水を作り、青い海の塩製造工程で有効活用することで、地域に還元しながら、環境負荷の低減を実現する。
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