東京ガスが初の「非化石価値」電力を購入、「ガスの科学館」で:自然エネルギー
東京ガスは自社施設で利用する電力として、同社初となる非化石証書を用いたFIT電気の購入を決定。東京都江東区の「がすてなーに ガスの科学館」で利用する。
東京ガスは2018年7月1日から「がすてなーに ガスの科学館」(東京都江東区)で購入する電気について、新電力大手エネットが提供するグリーンメニューの購入を開始した。東京ガスグループが、非化石証書を用いたFIT電気を購入するのは、初めてとなる。
同科学館は、東京ガスの企業館の一つで、ガスの特徴やエネルギーと地球環境との関わりを体験型展示物やプログラムを通して学べる施設だ。現在、使用する電気の約70%を天然ガスと燃料電池で発電した電気で賄っている。今回、外部から購入している約30%の電気について、エネットが提供するCO2排出係数ゼロの電力に切り替えることにした。同社が購入する電気は非化石証書を用いたFIT電気で、この切り替えにより、同科学館におけるCO2排出量は、2017年度比17%となる約75トンを見込んでいる。
非化石証書は「再生可能エネルギーの固定買取価格制度」の認定を受けた「発電設備由来の電気(通称FIT電気)」の環境価値(CO2排出ゼロ価値)を証書として切り出したものだ。非化石証書が持つ環境価値としては、エネルギー供給構造高度化法、いわゆる高度化法上の非化石電源比率の算定時に非化石電源として計上できる「非化石価値」、地球温暖化対策の推進に関する法律、いわゆる温対法の排出係数報告において、小売電気事業者が調整後排出係数算定時に調達した非化石証書の電力量に「全国平均係数」を乗じることで算出したCO2排出量を実CO2排出量から減算することができる「ゼロエミッション価値」、小売電気事業者が需要家に対して、その付加価値を表示・主張できる「環境表示価値」がある。
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