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コンビニを燃料電池で省エネに、AI搭載の融雪システムも導入:蓄電・発電機器
北海道ガスとコンビニ事業を手掛けるセコマが、北海道大学内に燃料電池システムを導入する新店舗をオープン。燃料電池システムに加え、AI搭載の融雪システムを導入して店舗全体の省エネを図る。
北海道ガスとコンビニエンスチェーンのセイコーマートを展開するセコマ(札幌市)は、北海道大学にオープンする「セイコーマート北海道大学店」(札幌市北区)で、燃料電池を活用した省エネシステムの試験運用を行う。2018年7月24日にオープン予定の同店舗で、業務用では北海道初という「固体酸化物形燃料電池(SOFC、京セラ製)」と、現在北海道大学とともに共同研究を行っている深層学習を活用したAI(人工知能)搭載の融雪システムを導入する。
SOFCは熱負荷の低いコンビニに適した、発電中心のコージェネレーションシステム(CGS)を採用。定格発電出力は3kW(キロワット)で、発電効率52%(LHV)を誇る。24時間連続運転し、停電時にも専用回路から電力供給が可能となり、レジや照明に活用できる。低騒音(45db)なども特徴という。発電時の排熱は、店舗内で作る温かいメニューへの給湯に利用する。
AI搭載の融雪システムは、温度と降雪センサーにより降雪状況を判断していた従来型システムに対して、雪の状態を深層学習による画像認識システム(認識精度98%)で、路面の積雪状況そのものから判断し、ボイラーを自動制御する。これにより融雪ボイラー運転の最適化を図ることで、一次エネルギー量とCO2をそれぞれ約40%削減できるという。
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