住宅IoTサービス事業化へ、東電とパナソニックが協業を検討:スマートホーム
東京電力パワーグリッド、子会社のエナジーゲートウェイ、パナソニックの3社が住宅向けIoTサービスの事業化に向けた協業の検討を開始。エナジーゲートウェイの電力センサーとパナソニックの高速電力線通信方式「HD-PLC」を組み合わせた新しいデバイスを開発し、早期の事業化を目指す方針だ。
東京電力パワーグリッド(東電PG)と子会社のエナジーゲートウェイ、パナソニックの3社は2018年7月19日、住宅向けIoTサービス事業の共同展開に向けた協議を開始したと発表した。エナジーゲートウェイの電力センサーとパナソニックの高速電力線通信方式「HD-PLC」を組み合わせた新しいデバイスを開発し、早期の事業化を目指す方針だ。
東電PGの子会社であるエナジーゲートウェイは、エネルギーサービスを開発する企業に対し、住宅内における電力使用状況などのデータ収集・分析・加工サービスの提供や、システム開発事業などを手掛けている。強みとするのが、同社が2018年5月に出資比率40%で第三者割当増資を実施した、AIベンチャー企業インフォメティスの「機器分離技術」だ。この技術を活用したセンサーを住宅の分電盤の主幹に取り付けると、住宅全体の電力使用状況から、家電ごとの電力消費データを抽出できるという。個別にセンサーを取り付けることなく、エアコン、冷蔵庫、掃除機などの各家電が、いつ、どのくらい使われているのかを分析できる。
パナソニックは、電力線を使ってインターネット通信ができる独自規格HD-PLCを利用した事業展開を推進している。HD-PLCは既存の住宅の電力線を活用し、専用アダプターをコンセントに差し込むだけでどこでも通信することができる。住宅の各部屋間をイーサネットケーブルでつなぐ場合と比較して、低コストにインターネット通信が行える。なお、HD-PLCは国際標準規格にも認定されており、パナソニックは他社へのライセンス提供も行っている。
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