トヨタが100億円を出資、スパークスが再エネファンドを新設:自然エネルギー
スパークス・グループが新たに立ち上げる再生可能エネルギー発電所を対象とする投資ファンドに、トヨタ自動車が100億円を出資すると発表。ファンドへの出資を通じ、「トヨタ環境チャレンジ2050」を加速させる。
投信投資顧問会社のスパークス・グループ(東京都港区)とトヨタ自動車は2018年9月、スパークスが太陽光発電などの日本国内の再生可能エネルギー発電所を投資対象とする「未来再エネファンド」を設立し、トヨタが新ファンドへの出資者として参画することについて、このほど合意したと発表した。
同ファンドは、基本理念に「日本各地における再生可能エネルギーの普及と利用拡大」を掲げ、地域経済の発展と日本のエネルギー自給率の一層の向上を目指す。
未来再エネファンドの募集金額は、300億円規模を想定している。トヨタが出資予定の100億円により、2018年11月から運用開始し、追加出資を募集する。運用期間はファンド組成日から25年間となっている。
トヨタは、新ファンドへの出資を通じ、「トヨタ環境チャレンジ2050」の達成に向け、将来的なトヨタの生産工場・電動車・販売店などへの電力供給も視野に入れながら、クリーンエネルギーを最大限に活用した低炭素社会の実現を支援する方針だ。
同社が2015年10月に発表した「トヨタ環境チャレンジ2050」では、気候変動、水不足、資源枯渇、生物多様性の劣化といった地球環境の問題に対し、クルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけるとともに、社会にプラスをもたらすことを目指して、「もっといいクルマ」「もっといいモノづくり」「いい町・いい社会」の3つの領域で6つのチャレンジを掲げている。
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