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再エネ50%を目指すニューヨーク州、NECが大型蓄電システムを納入:太陽光
2030年までに再生可能エネルギー比率50%を目指すニューヨーク州。NECが同州で周波数調整サービスを提供する企業に、大型蓄電システムを納入する。
NECと同社子会社のNECエナジーソリューションズ(米国マサチューセッツ州)は2018年9月、米国の大型蓄電システムを活用したサービス事業者であるKey Capture Energy社(KCE社、米国・ニューヨーク州)に、出力20MWの大型蓄電システムを納入すると発表した。ニューヨーク州最大規模の蓄電システムという。
米国では、再生可能エネルギーへの転換が積極的に進められている。中でもニューヨーク州では2030年までに電力の50%を再生可能エネルギーに転換する計画を掲げている。
KCE社は同蓄電システムを活用し、電力系統における周波数や電圧などの電力品質を維持する「周波数調整サービス」を提供する。同サービスは、周波数の乱れを検知し、障害が発生する前に蓄電システムより充放電を行い、周波数の安定を維持するサービス。再生可能エネルギーは天候などで発電量が変動するため、同サービスにより電力の需給バランスを調整する。
今回、提供する蓄電システムは同州サラトガ郡に設置され、2019年内に稼働を開始する予定だ。なお、同システムはNECエナジーソリューションズとしてはニューヨーク州で初の受注となる。
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