「RE100」加盟の丸井グループ、再エネ調達に「グリーンボンド」発行:自然エネルギー
丸井グループが、事業で活用する電力として再生可能エネルギーを調達する手段として環境債の「グリーンボンド」を発行。再生可能エネルギーによる電力調達を目的としたグリーンボンドの発行は国内初という。
小売り事業などを展開する丸井グループ(東京都中野区)は2018年9月、事業活動用電力の100%を再生可能エネルギーで調達する手段の一つとして、国内市場において公募形式による「グリーンボンド」を同年10月に発行すると発表した。
同社グループは「RE100」に加盟しており、事業活動で消費する電力を太陽光や風力などの再生可能エネルギーで100%調達する取り組みを進めている。グリーンボンドは、地球温暖化をはじめとした、環境問題の解決に役立つ取り組みに用いる資金を調達するために発行される債券。今回のグリーンボンドは同社によると、再生可能エネルギーによる電力の調達を使途とする国内初の事例だという。また、国内小売業界としても初めての発行となるとしている。
丸井グループでは、環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みと、ビジネスが一体となった未来志向の「共創サステナビリティ経営」を推進中だ。これまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマでとらえ直し、あわせて国連の「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)と関連付けることで、4つの重点テーマを定めた。
その一つである「エコロジカル・インクルージョン」では、環境負荷の少ない事業を推進し、低炭素社会や循環型社会の実現をめざし、自然や環境との調和をはかるエコロジカルなライフスタイルの提案を進めている。
丸井グループは、「RE100」への加盟の他、同社グループが設定した温室効果ガス削減目標は、国際的なイニシアチブである「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」から認定されている。
今回のグリーンボンドの発行は、「エコロジカル・インクルージョン」を推進し、再生可能エネルギー100%および温室効果ガス削減目標の達成に向けた取り組みを実施するための資金調達を目的とする。発行額は100億円。発行年限は5年。資金使途は再生可能エネルギーから電力100%調達、温室効果ガス排出量削減、再生可能エネルギー発電となっている。
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