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狙うは卒FITの住宅太陽光、蓄電池の月額運用サービス登場:太陽光(2/2 ページ)
2019年に向けて、“卒FIT”を迎える住宅太陽光を見据えたサービス開発が加速している。伊藤忠商事と東京電力ホールディングス傘下のTRENDEらは、AIを活用した家庭向け蓄電システムと、蓄電池と太陽光発電の利用を前提とした専用電気料金プランを発表した。
電力の「P2P取引」も見据える伊藤忠
伊藤忠は2018年1月にMoixaと資本業務提携を結び、GridShare Clientの国内独占販売権を取得していた。同社には2017年に東京電力ホールディングスも出資をしており、その関係から今回TRENDEが専用の電気料金プランを提供することになったという。
ただ、伊藤忠が見据えるのは、蓄電池の販売およびそのマネジメントビジネスだけにとどまらない。今後は、MoixaのGridShareの機能を活用したプラットフォームを構築し、電力の個人間取引(P2P取引)や電気自動車の充電マネジメント、分散電源を統合制御して仮想的な発電所を作り出すバーチャルパワープラント(VPP)事業など、さまざまな事業展開を目指すという。
各社が、卒FITを迎える住宅太陽光の効率的な利用を支援するサービスなどに注目する理由の1つに、こうした新しいプラットフォームビジネスの展開がある。特に住宅向けに関しては、電気の使用状況といった、ユーザーの生活に関する貴重なデータを得ることができ、これを活用した新しいビジネスの可能性に期待する企業もある。
資源エネルギー庁の試算によると、2023年までにFITの買取期間が終了する住宅太陽光発電は、累計約165万件、670万kWに達する。電力の買取、蓄電池や関連サービス含め、今後も卒FIT向けのサービス競争が加速しそうだ。
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