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ソーラーシェアリングの成功に欠かせない、農作物の選定と設備設計のポイント:ソーラーシェアリング入門(5)(3/3 ページ)
太陽光発電と農業を両立する手法として、近年、国内で大きな期待と注目を集めている「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」について解説する本連載。今回はソーラーシェアリングの成功に欠かせない、農作物の選定と設備設計のポイントについて解説する。
太陽光パネルの影があることで、作物の生育にどのような影響があるのか?という点は、ソーラーシェアリングに自ら取り組んでいる農業者の方レベルではいろいろな情報、データが出てきていますが、学術的な研究はまだまだこれからというのが現状です。
現在、千葉県で行っている大豆栽培や、秋田県で行っている水稲栽培では生産量や品質に大きな変化は見られませんし、ブルーベリーやブドウなどの果樹では糖度の増加、サトイモなど根菜類でも収穫量の増加といった傾向が見られるそうです。
ただし、これらの成功例は、いずれも遮光率を30〜40%程度として作物にとって適切と考えられる範囲に遮光率をとどめ、かつ藤棚式の太陽光パネル配置にすることで日射量も均等化するなど、ソーラーシェアリングとして農業に対する設計上の配慮が十分に行われており、そこで生産に携わる農業者の方々もベテランばかりです。
農林水産省が公表した資料にあるように、いわゆる「担い手」以外の農業者が営農している場合だと、30%以上のケースで営農に支障があるとも報告されています。単純に太陽光パネルの影の有無だけではなく、農業者自身の生産技術も相まって農作物の生育や収穫量は決まってきますから、ソーラーシェアリングに取り組む際にはやはりどのような農業生産・農業経営を行うのかを前提に考えることが大切です。
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