パナソニック、「再エネ100%」のリサイクル工場を実現:自然エネルギー
パナソニックが兵庫県にある同社の家電リサイクル工場において、再生可能エネルギー由来電力100%による事業運営を実現。太陽光発電の活用やグリーン電力プランによる調達の他、非化石証書を活用して実現した。
パナソニックグループの家電リサイクル工場である「パナソニックエコテクノロジーセンター」(PETEC、兵庫県加東市)は、省エネルギー、創エネルギーへの取り組みや再生可能エネルギー由来電力の調達により、100%再生可能エネルギー由来電力による事業運営を実現した。さらに今後、化石燃料の代替などにも取り組み、完全な「CO2ゼロ工場」を目指す方針だ。
パナソニックは2017年6月にリリースした「環境ビジョン2050」に基づき、CO2排出量ゼロ工場の実現に向けた取り組みを推進中だ。具体的には、照明のLED化やFEMS(ファクトリーエネルギーマネジメントシステム)技術の活用による省エネ、太陽光発電システムの導入などの創エネ、さらに再生可能エネルギー由来電力の調達などを行っている。
PETECは、CO2ゼロ工場の取り組みの先行モデル工場として省エネ、創エネ、再生可能エネルギー由来電力の調達などを行い、今回100%再生可能エネルギー由来電力による事業運営を実現した。
省エネについては、工場内の照明を2018年9月に全てLEDに切り替え、これにより、工場からのCO2排出量の約2%を削減している。創エネに関しては、現在、パナソニックの太陽光パネル「HIT」を50kW(キロワット)分設置しCO2排出量を約1%削減している。
さらに、これらと並行して、2018年4月から関西電力のCO2排出係数ゼロの「水力ECO(エコ)プラン」による電力調達を開始した(購入電力の約88%)。加えて、社内の調達部門であるグローバル調達社を通して、非化石価値取引市場から、2018年4月より有効な非化石証書を購入したことで(同約12%)、実質的に100%再生可能エネルギー由来電力の活用を実現した。
PETECではさらに2019年2月に244kW、12月に330kWの太陽光パネルHITを設置する。これによりトータルの設置容量が624kWとなり、太陽光発電によるCO2排出量削減量を現在の約1%から約15%に拡大する計画だ。
加えて、先進的なエネルギーマネジメントシステムの活用による省エネの強化、地中熱など再生可能エネルギーのさらなる活用や、化石燃料より排出されるCO2を吸収し分離・活用する技術など、自社の技術開発も兼ねた施策を推進する。
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