目指す再エネ比率ごとに3つの料金プラン、自家消費太陽光とセットでコストも削減:自然エネルギー
エコスタイルが「RE100」などに取り組む企業向けに、再エネ比率を高められる電力プランを発表。このプランと自家消費型太陽光発電を組み合わせることで、再エネ比率の向上とコスト削減を両立できるという。
エコスタイル(東京都千代田区)は、同社の電力サービス「エコスタイルでんき」の新メニューとして、再生可能エネルギー由来の電力を調達できる「REプラン」を発表した。国際イニシアチブであるCDPやRE100に取り組むなど、環境経営への対応を急ぐ企業向けのメニューだ。
2015年パリ協定の採択以降、世界は脱炭素に向けて加速しており、日本でも「企業版2度目標(SBT)」の設定や「RE100」への加盟を目指す動きも広がってきた。また、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)に配慮する企業への投資である「ESG投資」などの環境経営を実行している企業への投資を行う機関投資家の動きも加速している。エコスタイルはこうした企業に対し、環境省の「企業版2℃目標・RE100アドバイザー」として環境経営推進のソリューション提案を行っている。
今回発表したREプランは非化石証書やJ-クレジットを活用した電力を供給することで、需要家側は実質的に再生可能エネルギー由来の電力を調達できるというもの。自家消費型の太陽光発電を組み合わせ、太陽光ではカバーできない夜間などの電力をREプランで賄うことで、再エネ比率の向上とコスト削減を両立できるという。
同プランでは、企業の取り組み目標に合わせて再エネ比率別に「RE20プラン(供給電力のうち、実質的な再生可能エネルギーの比率が20%」「RE50プラン(同50%)」「RE100プラン(同100%)」の3つのメニューを展開する。
料金は個別見積もりになるが、「RE20プラン」と自家消費用の太陽光発電を導入した場合の試算を公表している。東京電力管内で高圧電力1000kW(キロワット)契約、年間使用電力量376万6800kWh(キロワット時)の企業が、9000万円を投じて発電規模500kWの自家消費用太陽光発電を導入し、この設備回収期間が8年とすると、電気料金を15%削減(年間1134万3460円に相当)でき、再エネ比率は32.68%になる。設備投資回収後は電力プランを「RE100プラン」に切り替えることで、再エネ比率100%を実現できるとしている。
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