パネル設置の工夫で発電量20%アップ、宮城県に2.4MWのメガソーラー:太陽光
日本アジア投資とスマートソーラーが宮城県で建設を進めていたメガソーラーが完成。パネルの設置方向を工夫することで、発電量を20%向上させることに成功したという。
日本アジア投資とスマートソーラー(東京都中央区)が、宮城県加美町に建設していたメガソーラー発電所の「加美ソーラーパーク」が2018年10月に完成した。東西に細長い土地の形状を生かし、より多くのパネルを設置できるよう通常は南向きに配置される太陽電池パネルを東西に向けて山折り形に配置している点が特徴となっている。その結果、南向きにパネルを配置した場合に比べ約20%発電量を増加することに成功したという。
最大出力は2.4MW(メガワット)で、年間発電量は一般家庭724世帯分に相当する231万kWh(キロワット時)を見込んでいる。「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」に基づく売電価格は税別36円/kWhで、売電先は東北電力。
発電所は、設計段階から建設地域の住民や自治体との連携を密に行い、雨水が発電所の外へ流出しないように周囲を土の堤防で囲むなど、地域との共生を図りながら開発を進めてきたという。プロジェクト総額は9.6億円で、うち一部を金融機関からのプロジェクトファイナンスで調達する。
日本アジア投資では、再生可能エネルギーを中心とした発電プロジェクトを積極的に推進している。2018年9月末での投資実績は、メガソーラープロジェクトが売電中12件(29.3MW)、建設・企画中7件(52.0MW)の合計19件、81.3MW(うち同社出資持ち分41.8MW)に達している。
その他の再生可能エネルギーでは木質バイオマス(売電中)1件(2.0MW)、バイオガス(建設中)2件(1.6MW)、風力(企画中)1件(16.0MW)がある。
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