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秋田県に地熱発電所の新設計画、2024年の稼働を目指し環境アセス開始:自然エネルギー
出光興産らが秋田県湯沢市で地熱発電所の建設に向けた環境アセスメントに着手。計画では2024年の運転開始を予定している。
出光興産、国際石油開発帝石および三井石油開発は2011年から秋田県湯沢市の小安地域で、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の支援制度を活用し地熱開発の共同調査を行っている。このほど本格的な事業化推進を目的として、2018年12月7日付で「計画段階環境配慮書」を経済産業大臣、秋田県知事及び湯沢市長へ送付し、環境アセスメントに着手したと発表した。
地熱発電は天候に左右されずに安定的に電力供給が可能な再生可能エネルギーとして注目されており、2011年に発生した東日本大震災以降、国立・国定公園内の地熱開発にかかる規制緩和や再生可能エネルギー固定価格買取制度施行に伴い、国内各地で調査・開発が進められている。
このうち小安地域では、地下資源の探査・井戸の掘削・蒸気の供給など、地熱開発のノウハウを有する3社が共同で、噴出試験を含む地熱資源量及び経済性評価などによる事業化検討を行ってきた。
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