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1万台規模の蓄電池を“秒単位”で一括制御、再エネの出力変動対策に:エネルギー管理
関西電力、エリーパワー、三社電機製作所の3社が、1万台規模の蓄電池を遠隔から秒単位で充放電制御する実験に取り組んでいる。再生可能エネルギーの導入拡大に必要な周波数調整技術として実用化を目指したい考えだ。
関西電力、エリーパワーおよび三社電機製作所の3社は2018年12月、需要家が保有する家庭用蓄電池および産業用蓄電池をエネルギーリソースとして活用し、電力系統における周期の短い負荷変動に合わせて即時充放電させる実証試験に取り組むと発表した。遠隔から約1万台規模の蓄電池を、秒単位で一括制御する技術を検証する、国内初という取り組みだ。実証期間は2019年1月31日まで。
世界的に導入が進んでいる太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは天候によって発電量が左右される。そのため導入拡大が向けては、系統安定を保つための周波数調整技術が不可欠だ。そこで、一時的に電力をためられる蓄電池はこうした課題を解決するとして注目があつまっている。ただ、それには電力需給に合わせて最適に蓄電池を充放電する技術が求められる。
同実証試験では、関西電力がNECと構築した蓄電池を一括制御するためのシステム「K-LIBRA」と、遠隔から秒単位で充放電制御可能な蓄電池として三社電機が開発した産業用蓄電池およびエリーパワーが開発した家庭用蓄電池を連携。システムからの指令に対する蓄電池の応動時間や制御精度を検証することにより、電力系統における周期の短い負荷変動に対する蓄電池の応答性能を確認する。
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