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太陽光パネルの下で稲を栽培、愛知県にソーラーシェアリング:自然エネルギー
太啓建設が愛知県豊田市で建設を進めていた営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)が2018年12月に完成。太陽光パネルの下では水稲栽培を実施する。
太啓建設が愛知県豊田市で建設を進めていた営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)が2018年12月に完成した。豊田市内におけるソーラーシェアリング発電所は初の事例で、事業化にあたっては千葉エコ・エネルギー(千葉市)が支援を行った。
発電所のパネル出力は70.4kW(キロワット)、連携出力は49.5kW。110W(ワット)のアイセス製の太陽光パネル640枚と、SMA製の9.9kWのパワコン5台を採用。基礎部分にはグランドスクリュー杭、架台はソーラーシェアリング用のアルミ架台を導入した。
初年度の年間発電量は80万kWh(キロワット時)を見込んでいる。発電した電力は売電し、同時に太陽光パネルの下では水稲栽培を実施する。発電所の建設地はもともと水稲栽培を行っていた農地で、建設工事は営農に支障がないよう農閑期に実施。2019年春からこれまで通り水稲栽培に取り組む。
太啓建設は2011年より一般法人として農業事業に参入。豊田市内にある地元農家の遊休農地を借り受けて水稲栽培を行い、飲食店などに米を提供している。さらに太啓ホールディングスグループとしてアグリ事業の推進を目的に、2018年には農地所有適格法人であるTAIKEIファームを設立している。
今回のソーラーシェアリング事業はこうした農業事業の延長にあり、同社としては初の取り組みとなる。今後も千葉エコ・エネルギーと共同で、豊田市内におけるソーラーシェアリング事業の導入拡大を検討する方針だ。
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