初期費用ゼロの太陽光発電サービス、中部電力が家庭向けに提供:電力供給サービス
中部電力が「第三者所有モデル」の住宅太陽光発電プランを発表。ユーザーは設備に関する初期費用ゼロ円で住宅に太陽光発電を導入できる。
中部電力は2019年1月、同社の顧客参加型の電力取引サービス「これからデンキ」に、新たに「太陽光発電の自家消費サービス」および「CO2フリー電気料金メニュー」を追加すると発表した。
太陽光発電の自家消費サービスは、店舗や工場などの屋根を借りて、同社および提携企業が太陽光発電設備を設置・運営し、客には初期費用ゼロで太陽光発電による電気を利用(自家消費)できる。一方で、自家消費の対価として、毎月サービス料金を支払う仕組み。2019年2月から提供を開始する。ユーザーは、発電した電気を自家消費することにより、電気料金や環境負荷の低減が期待できる。太陽光発電を災害時の非常用電源としても活用可能だ。
同サービスの提供にあたっては、新電力のLooop(東京都台東区)など、中部電力の提携企業が持つ住宅太陽光発電設備の設置に関するノウハウなどを活用するとしている。
CO2フリー電気料金メニューは、同社が保有する水力発電などの再生可能エネルギー電源や、2019年11月以降にFITの買取期間が満了を迎える再生可能エネルギー電源の活用により、企業や家庭にCO2フリー電気を提供する料金メニュー。ユーザーは、CO2排出量や環境負荷を低減することが可能となる。メニューの詳細は2019年4月をめどに発表し、2019年7月ごろから提供する予定だ。
中部電力の「これからデンキ」は顧客参加型の電気を中心とした新しい取引サービスの総称。2018年11月には、全館空調の温度設定やエコキュートのわき上げ時間を、HEMSを通じてコントロールし、電力需要の調整に協力した分だけ対価を支払うデマンドレスポンスサービス「CO-エネ」を開始した。
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