大学教育とソーラーシェアリング、次世代を担う人材を育てるために:ソーラーシェアリング入門(14)(2/2 ページ)
農業の新しい収益源として注目が集まっている「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電事業)」について解説する本連載。今回はソーラーシェアリングの持続的な発展を実現するために欠かせない、次世代の人材育成について考察します。
2019年3月には設備下へのぶどう苗の定植が行われ、今後は教職員と学生の手でぶどうの世話をしていき、5年後にワインとして醸造することを目指しています。初期費用の一部はクラウドファンディングでも賄われ、大学のOB/OGからの協力もあって300万円以上が集まったそうです。
大学のキャンパス内にソーラーシェアリングを導入し、そのエネルギーをキャンパス内で自家消費しつつ、その下で育てた作物を商品化していくという試みは、国内で初めての事例です。大学生が日常的に農業へと接する機会が非常に少なくなり、また自然エネルギーも屋根置きや野立ての太陽光発電では、持続的な関心を寄せることが難しい中で、太陽光パネルの下で農作業を行うというソーラーシェアリングの仕組みは、農業と再生可能エネルギーの両方に関心を持ってもらうことができる非常に良い機会になるでしょう。
今回のソーラーシェアリング設備の企画・導入は千葉エコ・エネルギーとしてサポートさせていただきましたが、私たちも大学発ベンチャーとしてソーラーシェアリングに関わる立場であり、これまでも学生や子供達に興味を持ってもらえるような取り組みを行ってきました。
農業も再生可能エネルギー事業も、これから50年・100年と持続し発展する産業としていくためには、次世代を常に育て続けていかなければなりません。そのためには、まず関心を持ってもらうための機会を創出する必要があり、実際の現場に触れることができる、またそこに関わり続けることができるのは、何よりも大きな意味を持ちます。興味関心の入り口として、ソーラーシェアリングが果たす役割は非常に重要なものになるでしょう。
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