太陽光を“共同購入”で安く導入できる、神奈川県で新サービスがスタート:太陽光
神奈川県で住宅太陽光発電システムを複数のユーザーと共同購入することができる新しいサービスがスタート。市場価格より10〜20%安い価格で設備を導入でき、施工から設置後のメンテナンスまでの一環したサポートも受けられるのが特徴だ。
アイチューザー(東京都品川区)は2019年4月、神奈川県と「太陽光発電設備の共同購入事業に関する協定」を締結したと発表した。これに基づいて、共同購入によって住宅向けの太陽光発電システムを通常より低価格で買うことができるキャンペーン「神奈川県みんなのおうちに太陽光」を実施する。同年5月17日から購入希望者の募集を開始した。
神奈川県では再生可能エネルギー等の導入を加速化し、エネルギーの地産地消を進める「かながわスマートエネルギー計画」を掲げ、太陽光発電の普及促進に取り組んでいる。今回、実施する「住宅用太陽光発電の共同購入事業」は、事前に購入希望者の参加登録、ならびに販売施工事業者の入札参加意向を募り、具体的なスケールメリットを把握したうえで入札によって価格を競い合うという仕組みだ。
共同購入キャンペーンに参加する消費者の登録受付は無料で、この時点で購入の義務は生じない。同年6月20日に登録期間を終了し、その後、入札により販売施工事業者を決定し、個別の見積もり提供を開始する。購入希望者は同年8月8日までに購入判断し施工を始める。購入・施工は2020年3月に終了する予定だ。
住宅用太陽光発電共同購入のメリットは、多くの人が参加することで共同購入が可能となり、販売施工事業者から神奈川県民に向けた特別な割引価格を得ることができるところにある。市場価格の10〜20%割安な落札を目指している。また、事前見積書で製品・価格、初期費用の回収年数を分かりやすく説明、納得したうえで購入の判断ができる。さらに、太陽光発電の専門家が販売施工事業者を入札で選ぶことから、購入者は製品・販売会社・施工品質の比較検討などをする必要もない。
アイチューザーグループは2008年にベルギーで設立。現在までに本拠を置くオランダ、ベルギー、イギリスで約10年間にわたり、行動経済学を活用した共同購入事業を展開している。「太陽光発電システム」および「再エネ電気とガス」の共同購入事業を各国の自治体と共同で実施しており、太陽光発電システムは3カ国で4万世帯以上の導入実績があるという。2017年11月に日本法人を設立し、現在国内での事業展開を進めている。
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