蓄電池を使わず太陽光の電力を“預けて”活用、東電が卒FIT向け新プラン:太陽光
東京電力エナジーパートナーが卒FITを迎える住宅太陽光発電ユーザー向けの新サービス「再エネおあずかりプラン」の詳細を公表。蓄電池を設置せずに太陽光発電の余剰電力を活用でき、電気代を節約できるというユニークなアイデアのサービスだ。
東京電力エナジーパートナーは2019年8月6日、「再生可能エネルギーの固定買取価格制度」による買い取りが満了となる住宅太陽光発電ユーザー向けの新サービス「再エネおあずかりプラン」の詳細を公表した。蓄電池を設置せずに太陽光発電の余剰電力を活用できるのが特徴のサービスで、同年9月9日から申し込み受付を開始する。
再エネおあずかりプランは月額サービス料4000円を支払うことで、発生した余剰電力を、東京電力エナジーパートナーが一時的に“預かった”ことにし、他の時間帯に使ったとみなすプラン。例えば月の電力使用量が300kWhで、200kWhの余剰電力が発生した場合、ユーザー側は使用電力量から余剰電力量を差し引いた100kWh分の電気料金と月額サービス料を支払うことになる。
預けられる電力は毎月250kWh(キロワット時)までで、250kWhを超える分や250kWh以下の使用電力量を上回る分の余剰電力量については8.5円/kWhで買い取りを行う仕組みだ。なお、余剰電力を“使ったとみなす”時間帯は、料金単価の高い時間帯が優先される。
サービスの対象エリアは、栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都(島しょ地域を除く)、神奈川県、山梨県および静岡県(富士川以東)。専用の電気料金プランへの加入が必須で、ガスとのセット割の料金プランはサービスの対象外で、支払った料金に応じてポイントが貯まる「くらしTEPCO」のポイントも対象外となる。
一方で東京電力エナジーパートナーは、通常の卒FIT太陽光向けの買い取りサービス(再エネ買取標準プラン)も展開する。どちらのプランへの加入がお得になるかは、日中の電力使用量や、発生する余剰電力量によって異なるため、検討するユーザーは確認が必要だ。
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