シャープが6.5kWhの住宅用蓄電池を新発売、停電時の利便性を強化:蓄電・発電機器
シャープが「CEATEC 2019」で、10月に発表した「住宅用クラウド蓄電池システム(JH-WBPB6150)」を披露。従来製品より蓄電容量を増やした他、停電時には住宅のどのエリアのコンセントでも電気を利用できるようにするなど、非常時を想定した機能を強化した。
シャープは「CEATEC(シーテック)2019」(2019年10月15〜18日、千葉市・幕張メッセ)に出展し、2019年10月に発表した「住宅用クラウド蓄電池システム(JH-WBPB6150)」を披露した。従来製品より停電時の電力供給機能を強化しているのが大きな特徴だ。代表的なモデルの希望小売価格は蓄電池本体、パワコン、コントローラーなどの周辺機器を合わせて税別260万円前後で、発売は2020年1月を予定している。
新製品はリチウムイオン電池を採用し、蓄電容量は6.5kWh(キロワット時)で、最大1台の増設が可能。外形寸法は560×320×575mm(ミリ)、重量は74kg、屋内外の設置に対応し、動作温度範囲は−10℃〜40℃。
新製品の蓄電容量は、従来モデルの4.2kWhから1.5倍以上に増えている。ブース担当者によると、停電時などに備え、余裕のある蓄電容量を求めるユーザーが増えているという。新製品ではこうした災害による停電時に役立つ機能の強化として、従来は停電時に一部のコンセントへの電力供給しか行えなかた仕様を、分電盤に供給する方法に変更し、停電時に家中のコンセントを利用できるようにした。
それに伴い、停電時の出力電圧を200V、最大出力電力を5.5kVAに高めている。これによりエアコンなどの200V機器も利用可能になった。この他、同時発売の蓄電池連携型パワーコンディショナー(JH-55KF4)は入力回路を4つに増やしており、既に太陽光発電を設置済みの住宅でも置き換えをしやすくした。
なお、シャープのHEMSとの接続にも対応しており、接続することで生活パターンや住宅に設置した太陽光発電の発電量、天気予報などの予測データに基づいて、自動で自家消費モードや蓄電池の充放電を最適にコントロールする機能なども利用できる。
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