再エネの環境価値をブロックチェーンで取引、J-クレジット準拠の新実証:エネルギー管理
デジタルグリッドは、ブロックチェーンを活用した環境価値取引手法を、「J-クレジット制度」のプログラム型プロジェクトの新属性に適用すると発表した。太陽光発電など再生可能エネルギー設備の自己消費価値を高め、再エネの導入拡大を後押しする実証に取り組む。
デジタルグリッドは2019年11月22日、「J-クレジット制度」のプログラム型プロジェクトで新たに対象となった「情報通信技術を活用した削減活動の取りまとめ」に、ブロックチェーンを活用した環境価値取引手法を適用すると発表した。第1弾として、東京ガスグループ、東邦ガス、および日立製作所の各社がこのスキームに参画する。複数の太陽光発電の自家消費分の環境価値測定準備を11月から順次始めており、このプロジェクトの登録審査を2020年1月に受ける予定である。
J-クレジット制度とは、再生可能エネルギー設備や省エネルギー機器の導入などによる、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度である。この制度によって創出されたクレジットは、再生可能エネルギーの利用率向上、低炭素社会実行計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、さまざまな用途に活用されている。
今回、デジタルグリッド開発による電力データなどの計測を行うICT 機器「DGC(デジタルグリッド・コントローラー)」を各地の太陽光パネルなどの発電側に設置する。そこで計測された自己消費分の発電データなどをブロックチェーンに記録することで人手を介さずに効率的に、かつ安全にデータを管理することが可能になるという。太陽光発電など再生可能エネルギー設備の自己消費価値を高め、再生可能エネルギーのさらなる導入・活用が期待できる。
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