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球状太陽電池のJIS規格を策定へ、発電する窓や布製品の市場創出を支援:太陽光
日本産業標準調査会(JISC)が実施している「新市場創造型標準化制度」の活用案件として、球状太陽電池の製造販売を手掛けるスフェラーパワー(京都市)の提案を採択された。これにより球状太陽電池の国内標準(JIS)化に向けた検討あスタートする。
経済産業省は2019年1月、日本産業標準調査会(JISC)が実施している「新市場創造型標準化制度」の活用案件として、球状太陽電池の製造販売を手掛けるスフェラーパワー(京都市)の提案を採択したと発表した。これにより、球状太陽電池の国内標準(JIS)化に向けた検討がスタートする。
スフェラーパワーが開発している球状太陽電池は、球状にしたシリコン粒の表面にpnジャンクションを形成し、上下に対向するかたちで電極をつけた球状の太陽電池セル。受光面を球状となっていることで、一般的な平板型の太陽電池と比較して、約3倍の光を採り込めるため、発電効率を高めやすい。1つ1つの発電量は小さいが、多くのスフェラーを細い糸状の導電素材でつなぐことで、窓などに設置できるシースルータイプの太陽電池や、柔軟性のあるテキスタイル型の太陽電池など、さまざまな用途に適用できるという。
新市場創造型標準化制度は、既存の規格では評価しにくい製品や技術の規格化をサポートする制度。一般的な平型の太陽電池は発電効率の評価手法などが確率されているが、球状太陽電池については、その発電性能を評価する規格がなく、また、既存の平板用の規格では十分にその特性を評価できないことから、特徴を踏まえた評価を可能とする試験方法などの規格化を検討することとした。
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