再エネ拡大とEV充電の低コスト化を両立する新サービス、ホンダが欧州でスタート:電気自動車
ホンダが再生可能エネルギーの活用と充電コスト低減を両立するEV(電気自動車)向けエネルギーマネジメントサービスを欧州で開始すると発表。EVを活用して電力需要の平準化に貢献し、再生可能エネルギーの活用拡大を後押しするという。
ホンダは2020年3月、再生可能エネルギーの活用と充電コスト低減を両立するEV(電気自動車)向けエネルギーマネジメントサービス「e:PROGRESS(イープログレス)」を欧州で開始すると発表した。2020年中に英国で提供を開始し、順次ドイツや欧州各国に展開する計画だ。
e:PROGRESSはリソースアグリゲーション事業などを展開している英国のベンチャー企業Moixa(モイクサ)社、スウェーデンの電力会社であるVattenfall(バッテンフォール)社と共同で提供する。e:PROGRESS契約者は、スマートフォンのアプリケーションに必要な充電量を入力すると、EVを「Honda Power Charger(パワーチャージャー)」など自宅の充電器につなぐだけで、Moixa社の「GridShare(グリッドシェア)」システムを通じ、Vattenfall社が提供する変動型電気料金を活用して、最も電力コストの安い時間帯に自動的に充電が行われるという仕組み。電力需要の平準化をサポートすることで、再生可能エネルギー由来の電力使用拡大に貢献するという。
HondaはCO2排出量の削減に向けエネルギーマネジメントソリューションに取り組んでおり、V2G(Vehicle to Grid)の実証実験を2020年1月より英国・ロンドンで開始している。これはロンドン・イズリントン特別区のタウンホールに電力系統との双方向での充電・給電が可能な双方向充電器を複数台設置し、EV型公用車への充電およびEVから建物への給電、さらに電力系統への調整力提供まで含めたエネルギーマネジメントの技術実証を行っている。
関連記事
- リチウムを超える「アルミニウム」、トヨタの工夫とは
電気自動車に必要不可欠なリチウムイオン蓄電池。だが、より電池の性能を高めようとしても限界が近い。そこで、実質的なエネルギー量がガソリンに近い金属空気電池に期待がかかっている。トヨタ自動車の研究者が発表したアルミニウム空気電池の研究内容を紹介する。開発ポイントは、不純物の多い安価なアルミニウムを使うことだ。 - EVの“使用済み”バッテリーがドル箱へ、再生エネの導入拡大が後押しか
電気自動車(EV)の普及拡大に伴い、使用済みバッテリーの処理方法は1つの課題だ。EVに注力する自動車メーカーはこうした使用済みバッテリーを、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い需要が増している蓄電システムに再利用する取り組みを進めている。 - 走行中のEVへワイヤレス給電に成功、東大らがインホイールモーターを新開発
東京大学と民間企業らの研究グループが、走行中の電気自動車にワイヤレス給電が可能なシステムを開発。従来より実際の車両に搭載しやすくした他、モーターや給電能力も高めることに成功した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.