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再エネ水素で「火力発電」が米国で実現、MHPSが専用タービンを受注:蓄電・発電機器
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が米国ユタ州で進む水素を燃料として利用するガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電プロジェクトから発電システムを受注。プロジェクトでは再エネ由来水素を活用し、2025年に水素混焼率(体積比による混合比率)30%、2045年までに水素100%での運転を目指している。
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は2020年3月、米国ユタ州のIPP(独立電力事業者)であるインターマウンテン電力(IPA)が計画する水素を利用したガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電プロジェクトから、84万kW級発電設備を受注したと発表した。
GTCC発電設備は、米国ユタ州都ソルトレイクシティの南西約140kmに位置する石炭火力発電所の設備更新により建設するもの。発電設備はIPAが所有し、同社の最大株主であるロサンゼルス水道電力局(LADWP)が運営する。
プロジェクトでは、2025年に水素混焼率(体積比による混合比率)30%で運転を開始し、2045年までに水素100%での運転を目指している。MHPSは同社が実用化した水素焚き大型ガスタービン技術を用いたシステム2基を中核とするGTCC発電設備を納入する。同社が同形式のシステム設備を受注するのは今回が初めてとなる。関連機器の納入と併せて、20年間の長期保守契約(LTSA)も締結している。
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