国内の再エネ比率は16.9%に向上、エネルギー自給率は7年ぶりに10%台を超える:自然エネルギー
経済産業省が2018年度の国内におけるエネルギー需給実績の確報値を発表。全体の最終エネルギー消費量は前年度比2.7%の減少に、一次エネルギーの国内供給量も同1.8%減となったが、再生可能エネルギーや原子力発電などの非化石電源による供給量は6年連続での増加となった。
経済産業省は2020年4月14日、2018年度の国内におけるエネルギー需給実績の確報値をまとめた。全体の最終エネルギー消費量は前年度比2.7%の減少に、一次エネルギーの国内供給量も同1.8%減となったが、再生可能エネルギーや原子力発電などの非化石電源による供給量は6年連続での増加となった。
最終エネルギー消費は前年度比2.7%減。うち石油は同4.1%減、都市ガスは同3.3%減、電力は同2.0%減、石炭は同1.9%減となった。家庭部門は、暖冬の影響の影響により、厳冬であった2017年度に比べて大幅に減少。企業・事業所他部門は、経済活動が緩やかに拡大したものの、鉄鋼やエチレンの生産量の減少や省エネの進展などにより減少となっている。
一次エネルギー国内供給は前年度比1.8%減となった。シェア別でみると、発電で再エネ普及と原発再稼働が進み、再エネ(未活用エネ含む)と原子力はそれぞれ前年度比で0.5%増、1.4%の増加となった。一方、石油と天然ガスは発電用を中心に減少しそれぞれ同1.4%減、同0.5%減で、石炭は減少もシェアは横ばいとなった。化石燃料の減少は5年連続だが、再エネ及び原子力などの非化石エネルギーの増加はこれで6年連続となっている。
発電電力量は前年度比0.8%減となる1兆512億kWhで、このうち非化石電源の割合は23.0%で前年度比3.9%増となった。発電電力量の構成は、再エネが16.9%(前年度比0.9%増)、原子力が6.2%(同3.1%増)、火力が77.0%(同3.9%減)となり、エネルギー自給率は、前年度比2.3%増の11.8%となっている。エネルギー自給率が10%台を超えたのは2011年度以来、7年ぶりとなる。
エネルギー起源のCO2排出量は、前年度比4.6%減と10.6憶トンとなった。CO2排出量は東日本大震災後の原発稼働停止などの影響もあり、2013年度まで4年連続で増加していたが、その後の電力需要減や再エネ普及や原発再稼働による電力低炭素化などにより、5年連続で減少傾向となっている。
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