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“台風発電”の実現へ前進、2020年8月の台風4号で風力発電に成功:自然エネルギー
小型風力発電機の開発を手掛けるチャレナジーは、沖縄県石垣島に設置した垂直軸型マグナス式風力発電機の実証機が、同年8月に発生した台風4号での発電に成功したと発表。発電可能な最大瞬間風速の記録を30.4m/sに更新したという。
小型風力発電機の開発を手掛けるチャレナジーは2020年10月1日、沖縄県石垣島に設置した垂直軸型マグナス式風力発電機の実証機が、同年8月に発生した台風4号での発電に成功したと発表した。発電可能な最大瞬間風速の記録を30.4m/sに更新したという。
チャレナジーは円筒の回転で発生する「マグナス力」を利用したマグナス風車の開発に取り組むベンチャー企業。垂直の回転軸を持つマグナス風車は、一般的な風車では稼働を停止させるような強風での発電にも対応し、風向や風速に左右されずに発電できる点を特徴としている。
同社では2018年8月にマグナス風車の実証機を石垣島に設置。以降、2年間にわたって台風など自然条件下でのデータ収集や、性能向上を目的とした構造変更や制御の最適化に取り組んできた。こうした取り組みの結果、これまで実証機における発電可能な最大瞬間風速の記録は、2018年10月の台風25号時に記録した最大瞬間風速24m/sだったが、今回30.4m/sに更新することに成功した。
同社では今後、今回の台風4号で得られたデータを利用し、さらなる性能の向上、安全性の確立、メンテナンス性の拡充に取り組むとしている。
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