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長野県最大の木質バイオマス発電所が稼働、年間3.2万世帯分を発電:自然エネルギー
征矢野建材、九電みらいエナジー、九電工、北野建設らが長野県塩尻市で建設を進めていた木質バイオマス発電所が営業運転を開始。木質バイオマス発電所としては長野県内で最大規模の発電所になるという。
征矢野建材、九電みらいエナジー、九電工、北野建設は2020年10月、共同出資するソヤノウッドパワーを通じ長野県塩尻市で建設を進めていた木質バイオマス発電所「ソヤノウッドパワー発電所」が完成し、同月15日から営業運転を開始したと発表した。
同発電所は出力14.5MWので、木質バイオマス発電所としては長野県内で最大規模となるという。年間約14万トンの木質バイオマス燃料を利用し、一般家庭約3万2000世帯分の年間使用電力量に相当する約9500万kWhを発電する計画だ。
燃料には主に長野県内の山林に残置されてきた間伐材などの未利用材、木材加工施設から発生する製材端材を用いる。発電した電力は、再生可能姉ルギーの固定価格買取制度(FIT)に基づき中部電力ミライズに売電する。
ソヤノウッドパワーは2014年3月に設立。出資比率は、征矢野建材が22%、九電みらいエナジーが20.4%、九電工が15.7%、北野建設が5.2%、優先株主の一般社団法人・グリーンファイナンス推進機構が26.2%、八十二キャピタルが10.5%となっている。
長野県と塩尻市、征矢野建材は、木材加工施設やバイオマス発電所の新設により、木材の新たな需要創出と循環型社会の形成を目指す「信州F・POWERプロジェクト」を推進しており、ソヤノウッドパワー発電所の開発もこの取り組みの一環となる。
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