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埼玉県に非FIT型ソーラーシェアリング登場、電力は地域新電力に全量売電:太陽光
埼玉県所沢市に陽光発電と農業を両立するソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)が完成。発電した電力はFIT制度を利用せず地域新電力に売電し、電力の地産地消を目指すという。
三菱HCキャピタルのグループ会社であるHGE(東京都港区)と、西武造園の子会社である西武アグリ(埼玉県所沢市)は、埼玉県所沢市に「所沢北岩岡太陽光発電所」を建設し、7月9日に竣工式を開催した。太陽光発電と農業を両立するソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を行う発電所だ。
発電所は遊休地となっていた農地を活用。全体の農地面積は約1.7haで、うち約1.3haに太陽光パネルを設置している。パネル出力は989.04kWで、年間発電量は一般家庭311世帯分に相当する約1119MWhを見込んでいる。
発電した電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を利用せず、地域新電力のところざわ未来電力に全量売電する。ところざわ未来電力は所沢市の公共施設に供給を行い、これにより電力の地産地消を実現する狙いだ。発電所の年間発電量1119MWhは市役所本庁舎の使用電力の約42%に相当し、これにより年間約500tのCO2排出削減効果が見込めるとしている。
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