太陽光関連の倒産は減少傾向も、大型倒産で負債額は大幅に増加:太陽光
帝国データバンクが2021年上半期(2021年1月〜6月)における太陽光関連業者の倒産状況を発表。倒産件数は38件で前年同期比で9.5%の減少で、2020年下半期との比較でも減少となった一方、大型倒産が多く発生している。
帝国データバンクは2021年7月12日、2021年上半期(2021年1月〜6月)における太陽光関連業者の倒産状況を発表した。倒産件数は38件と前年同期比で9.5%の減少で、2020年下半期との比較でも9.5%の減少となった。
一方、大型倒産が多く発生し、負債総額は急増となっている。具体的にはJCサービス(3月24日、民事再生法、負債約153億4200万円)とその関連会社、グリーンインフラレンディング(4月9日、破産開始決定、負債約128億円)など複数の大型倒産により負債総額は503億7300万円となり、前年同期比441.6%増、前期比243.7%増と大幅な増加となった。
倒産態様別では「破産」が31件(構成比81.6%)、「特別清算」が4件(同10.5%)、「民事再生法」が3件(同7.9%)発生した。負債総額別で最も多いのは「1000万〜5000万円未満」と「1億〜5億円未満」でそれぞれ11件(構成比28.9%)。負債総額5億円未満が全体の81.6%を占めた。
地域別では「関東」が16件(構成比42.1%)で突出する結果に。業歴別では「10〜15年未満」の10件(構成比26.3%)と、「5〜10年未満」の9件(同23.7%)がボリュームゾーンを形成している。資本金別では「100〜1000万円未満」が17件(構成比44.7%)と最も多く、次いで「1000〜5000万円未満」の15件(同39.5%)。両者合わせて全体の84.2%を占めた。従業員別では「10人未満」の34件(構成比89.5%)がトップ。
2021年上半期には、法的整理に至っていないため今回の倒産動向調査には含まれていないものの、代表が逮捕されて事実上、営業活動が停止状態になっているテクノシステムのような事例もある。帝国データバンクでは、大型倒産や事件、不祥事が発生した場合、金融機関がその業界に対する与信を絞り込むなどの対応をすることから、太陽光関連業者の事業環境は、厳しいものになっていると総評している。
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