6台の純水素燃料電池を連携制御、パナソニックらが副生水素を活用する実証実験:蓄電・発電機器
トクヤマとパナソニックが、トクヤマの徳山製造所(山口県周南市)で発生する副生水素を用いた純水素型燃料電池の実証を開始。製造所で発生する副生水素を、連携制御する6台の純水素燃料電池に供給して発電を行う。
化学メーカーのトクヤマとパナソニックは2021年9月14日、トクヤマの徳山製造所(山口県周南市)で発生する副生水素を用いた純水素型燃料電池の実証を開始したと発表した。実証期間は2023年3月までを予定している。
純水素燃料電池は水素を直接用いて発電するため、CO2が発生しない他、発電までの時間が短いというメリットがある。今回の実証では、パナソニックが開発する純水素燃料電池6台を組み合わせた実証機を徳山製造所内に設置。苛性ソーダの製造過程で発生する副生水素を利用して発電を行う。
6台の純水素型燃料電池は、1つのユニットに収めたシステム構成となっている。水素の供給配管や熱配管、電力出力ラインなどを集約してユニットに接続し、6台の純水素型燃料電池を1つのシステムとして稼働させる連携制御を実現したという。なお、純水素型燃料電池の6台連携制御の実証は、国内初の取り組みになるとしている。
純水素燃料電池1台当たりの発電出力は700Wだが、6台の実証機を個別に稼働および停止させることができるため、700W〜4.2kWのあいだで任意の発電出力を設定可能。さらに、仮に1台が故障したとしても残りの5台は継続して稼働させることができるため、順番にメンテナンスを行えばシステムとして電力の連続供給も可能となるなど、連携制御により運用の柔軟性向上が期待できるという。パナソニックでは将来的には、連携制御による大規模な電力需要への対応も想定するとしている。
実証機で発電した電力は、製造所内の事務室で使用し、発電する際に生成する熱も温水にして回収し有効活用するという。トクヤマでは、以前より副生水素の有効活用を図るとともに、水素を活用した地域貢献モデルの検討を進めているが、今回の実証もその一環になるとしている。
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