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走行中のEVを再エネで充電、関電・大林組・ダイヘンらが無線給電システムを開発へ:電気自動車
関西電力、ダイヘン、大林組の3社、電気自動車(EV)の走行中給電システムなど開発に取り組むと発表。非接触で給電可能なEVの走行中給電システムと、充電を管理できる新たなエネルギーマネジメントシステムの技術開発に取り組む。
関西電力、ダイヘン、大林組の3社は2021年11月19日、電気自動車(EV)の走行中給電システムなどの開発に取り組むと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行う「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択されたもの。非接触で給電可能なEVの走行中給電システムと、その実装を見据えた都市全体のエネルギーマネジメントシステムの技術開発に取り組む。
走行中給電システムは、道路に駆動回路を埋め込むコイル方式のシステムの開発を目指す。開発目標は出力30kWのシステムの実現で、コイルから発生する電磁界の周辺への影響評価を行い、システムの安全性を検証する。さらに、道路に埋設する際の課題を抽出し、適切な埋設位置の検討や道路の耐久性評価も行う計画だ。
さらに、このシステムが導入された都市を想定する、新たなエネルギーマネジメントシステムの技術開発にも取り組む。EV車両の動態(車両位置情報およびバッテリー状態)管理機能の開発を行う他、EV車両の動態情報と再生可能エネルギー発電量などの電力需給情報をもとにした、給電制御機能の開発を実施する。
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