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水素燃料100%でガスタービン発電、川崎重工がドイツで30MW級の実証実験へ:蓄電・発電機器
川崎重工がドイツのエネルギー会社であるRWE Generationと、30MW級ガスタービンでは「世界初」(川崎重工)という、水素燃料100%での発電実証について共同で検討を進めることに合意。2024年中の実証運転開始に向けた詳細協議を勧めているという。
川崎重工は2021年12月9日、ドイツのエネルギー会社であるRWE Generationと、30MW 級ガスタービンでは「世界初」(川崎重工)という、水素燃料100%での発電実証について共同で検討を進めることに合意したと発表した。2024年中の実証運転開始に向けた詳細協議を勧めているという。
この事業は、ドイツ・ニーダーザクセン州でRWE社が運営するエムスランド水素パークおよび天然ガス発電所内に、川崎重工が開発した水素燃料対応の30MW級ガスタービン「L30A」を用いたコージェネレーションシステム(GPB300)を設置する。2024年中に拡散燃焼器による水素と天然ガスの混焼および、水素燃料100%による発電実証運転を開始し、運転データの収集と運用特性の確認を行う計画だ。
実証試験に用いる水素燃料は、RWE社が保有する約2GWの風力発電施設から供給される電力を使い、水を電気分解することで製造するCO2フリーの水素を利用する。将来的には、川崎重工が開発中のマイクロミックス燃焼技術を適用したドライ方式の低NOx燃焼器による水素燃料100%の発電実証試験を実施することも検討しているという。
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