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富士電機が大容量蓄電池向けパワコン、待機電力を97%削減した新モデル:蓄電・発電機器
富士電機が022年1月19日、大容量蓄電池用パワーコンディショナー(PCS)の新製品を発表した。自社製パワー半導体を搭載し、充放電時の電力損失を大幅に低減。さらに、新制御方式を採用し、待機時の電力消費量を97%削減できるという。
富士電機(東京都品川区)は2022年1月19日、大容量蓄電池用パワーコンディショナー(PCS)の新製品「PVI1400CJ-3/2600(DC1250V/2600kVA)」を発表した。自社製パワー半導体を搭載し、充放電時の電力損失を大幅に低減した他、新たな制御方式を採用し、待機時の電力消費量を97%削減できるという。
蓄電池に貯められる電気が直流であるのに対して、電力系統には交流の電気が流れている。そのため、蓄電池の充放電には電力変換が必要になる。電力変換はPCS内部のパワー半導体のスイッチングで行われるが、そこで生じる電力損失が課題となる。そこで富士電機は新製品に低損失な自社製パワー半導体(IGBTモジュール)を搭載。最大電力変換効率98.2%とし、電力損失の低減を図った。
蓄電池用PCSは、指令に応じて素早く充放電を行う制御機能が求められる。そのため、待機時にもIGBTモジュールに通電しておくのが一般的だ。しかし、新製品は外部からの指令で瞬時に起動する制御方式を採用し、待機時の電力消費量を97%)(12kW→0.35kW)削減している。
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