太陽光で「発電する道路」とEV蓄電池を融合、自立型の電力供給システムを事業化へ:太陽光
MIRAI-LABO(東京都八王子市)と農作機械メーカーのやまびこが資本業務提携契約を締結。独自開発の太陽光路面発電パネルとEVのリユース蓄電池を活用し、自立型のエネルギー供給システムの製品化を目指すという。
企業のMIRAI-LABO(東京都八王子市)と農作機械メーカーのやまびこは2022年1月27日、「ハイブリッド自立型エネルギーシステム」および「農林造園業機械に代表される屋外作業機(乗用を含む)の電動化ならびに移動型バッテリー充電システム」の開発・事業化を目的とした資本業務提携契約を締結したと発表した。
ハイブリッド自立型エネルギーシステムは、MIRAI-LABOが開発する「太陽光路面発電パネル」と、リユースEV蓄電池で構築する「自立型エネルギーインフラAIR」、やまびこが製造する発電機を組み合わせたシステム。天候に左右されず、災害にも強いハイブリッド自立型エネルギーシステムとして、製品化を目指す。
もう一つの農林造園業機械に代表される屋外作業機の電動化ならびに移動型バッテリー充電システムは、MIRAI-LABOが開発するリユースEV蓄電池を活用して、乗用農林造園業機械及び農林造園業関連ロボットに代表される屋外作業機の電動化と、充電のための移動型バッテリー充電システムを開発する。
MIRAI-LABOが開発する太陽光路面発電パネルとは、道路面に設置し、その上を人や車が通行可能な太陽光パネル。現在、研究開発中の技術で実証検証の段階にあるが、40tクラスの特殊車両による耐久試験などをクリアしているという。今後は全国での実証検証を重ね、量産および事業化を計画している。
同社が開発するリユースEV蓄電池は、EVで一度役目を終えたバッテリーを、リサイクルの一歩手前でリユース活用した蓄電池のこと。EVバッテリーは耐久性に優れ高性能であるが、劣化が進み走行距離が短くなってくると取り外され廃棄される。MIRAI-LABOは、この廃バッテリーを独自のバッテリー制御技術により再制御し、モビリティとは別の用途でリユースする事業に取り組んでいる。
これらの太陽光路面発電パネルとリユースEV蓄電池を組み合わせた自立型エネルギーインフラAIRは、センサー・通信・照明などに自立してエネルギーを供給できるシステムの構築を目指したものだ。
なお、今回の資本提携では、MIRAI-LABOは第三者割当増資を実施し、やまびこが普通株式125株(5億円)を引き受けている。
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