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軽量で曲がるフィルム型の有機薄膜太陽電池、Looopが独Heliatek社の製品を独占販売:太陽光
新電力のLooopがドイツHeliatek社の有機薄膜太陽電池を国内で独占販売すると発表。軽量かつ曲げられる太陽電池で、従来太陽光パネルを設置できなかった場所や用途にも適用可能だという。
新電力のLooopは2022年8月26日、ドイツの太陽電池メーカーHeliatek(ヘリアテック)社が開発する有機薄膜太陽電池について、日本国内において独占販売すると発表した。
Heliatek社の有機薄膜太陽電池「Heliasol」は、薄型のフィルム形状で、曲げることも可能な太陽電池。架台を利用せずにさまざまな素材へ直接貼り付けるように設置できるという。重量も1平方メートル当たりの2kgと軽量なため、荷重制限があり太陽光パネルを設置できなかった場所への導入も可能としている。
また、同社の有機薄膜太陽電池は、1kWhあたり10g未満のカーボンフットプリントであり、高温・真空プロセスが不要で有毒物質や希少な物質も含んでいないため、製造時の消費エネルギーが少なく、廃棄時の工数も少ないのも特徴。
LooopはHeliasolの販売に先駆けて、立命館大学と共同でHeliatek製太陽電池を設置する実証実験を行っており、既に実用化されている化合物太陽電池(CIS)と同等の発電量を有していることを確認しているという。
販売を予定するHeliasolは、外形寸法が2000×436×1.8mmで、公称最大出力は50W・55W。製品5年保証、出力20年保証が付帯する。なお、国内での販売開始はIEC認証を取得後、2022年度内の予定としている。
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