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燃料電池市場は2040年度に18兆円規模に、2022年度比で45倍以上の拡大予測:蓄電・発電機器
調査会社の富士経済が燃料電池(FC)関連の世界市場の調査結果を発表。2040年度の市場は2022年度比45.2倍の18兆2320億円まで拡大すると予測している。
調査会社の富士経済は2023年9月21日、燃料電池(FC)関連の世界市場の調査結果を発表した。それによると、2040年度の市場は2022年度比45.2倍の18兆2320億円まで拡大すると予測している。
2023年度の燃料電池システムの世界市場は、燃料電池車と燃料電池トラック・バスに加え、商業施設の発電設備や発電事業者の充電設備などに導入される産業・業務用燃料電池で80%以上を占め、金額ベースでは前年度比25.1%増の5046億円が見込まれる。特に、燃料電池トラック・バスは欧州・中国を中心に大きく伸びている。
今後は、航続可能距離の長さや水素充填時間の短さといった燃料電池の優位性を生かし、大型・長距離走行車両への普及が進むとみられ、2025年度から2030年度にかけて燃料電池トラック・バスの市場規模が最も大きくなるという。
2030年度以降は、燃料電池車や燃料電池トラック・バスの普及を通じて燃料電池スタックのコストダウンが実現するほか、自動車メーカーによる積極的な燃料電池モジュールの販売や船舶、ドローンでの採用など用途の多様化が予想され、2040年度の市場は2022年度比45.2倍に成長する予測している。
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