ジンコソーラー、N型TOPconモジュールと蓄電池の日本展開に注力:太陽光
ジンコソーラージャパンは「PV EXPO 国際太陽光発電展」に出展し、産業・系統用向け蓄電システムを披露した。日本国内での産業用蓄電池の需要拡大に合わせ、蓄電池製品の提案を強化するという。
ジンコソーラージャパンは「PV EXPO 国際太陽光発電展」(東京ビッグサイト、2024年2月28日〜3月1日)に出展し、産業・系統用向け蓄電システムを披露した。日本国内での産業用蓄電池の需要拡大に合わせ、蓄電池製品の提案を強化するという。
展示した系統向けの「SUNTERA(JKS-3440AL)」は、20フィートコンテナに必要システムを収めた蓄電システム。設置面積6058×2438×2896mm、重量は35トンで、セルにはリン酸リチウムイオン電池を採用している。コンテナ1台での蓄電量料は3.44MWh、定格電圧1228.8V、動作環境は-20℃から50℃、IP54相当の防水性能を備える。
SUNTERAの特徴の一つが、ジンコソーラー独自の水冷式の冷却システムを搭載している点だ。複数の水冷制御モードを備え、これによりシステムの運用にかかる補助電力消費量を20%削減できるという。また、防爆仕様となっており、火災防止機能も搭載した。同社では今後、1台あたりの容量が5MWh程度に拡張されたモデルも日本市場への投入を検討しているという。
また、この他に容量を344kWhまで拡張可能な、商業・産業用向け蓄電システム「SUNGIGA」や、家庭用蓄電システムも披露。家庭用から産業用まで、フルラインアップを揃え、提案を強化する方針だという。
N型TOPconに注目、ペロブスカイトにも
ジンコソーラーではこの他に、同社の主力製品である太陽光パネル製品も展示した。メインとなるのは、近年の一つのトレンドとなっている「N型TOPcon」タイプの太陽光パネル製品だ。
日本市場の動向について、ジンコソーラーホールディングスの錢晶(Dany Qian)副社長は、「日本のユーザーは、FIT価格の低下や設置可能用地の減少により、モジュールの発電効率がより重要視されはじめている。そのため、限られた面積で最大限の発電量を実現しやすい、N型TOPConタイプのモジュールを選ぶケースが増えている」と話す。
こうした流れを受けて、ジンコソーラージャパンでは2024年にN型TOPconシリーズ「TigerNeo」の新製品として、出力635Wのモデルの投入も計画している。また、世界的な企業の脱炭素化の動きに合わせ、テュフ ラインランドが認証した同社の「ゼロカーボン工場」で製造したモデル「Green Neo」も投入する。
錢晶は今後の見通しについて、「今後3〜5年はN型TOPConモジュールがメインストリームの地位を占める」と話すが、さらにその先の戦略として「ペロブスカイト製品についても、量産化の準備が整い次第、直ちに製品化を行う計画」としている。
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