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いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向:太陽光(2/4 ページ)
次世代型太陽電池の代名詞ともいえる「ペロブスカイト太陽電池」。産業育成と導入拡大に向けた官民協議会も動き出し、早期社会実装への道筋が描かれようとしている。いまさら聞けないペロブスカイトの基礎知識と、最新の政策動向を整理した。
ペロブスカイト太陽電池、主要な3タイプの特徴と違い
ペロブスカイト太陽電池は、以下のタイプに大別される。「フィルム型」「ガラス型」「タンデム型」の3つだ。
フィルム型
フィルム型は、軽量で、薄く、曲げることもできるというペロブスカイト太陽電池ならではの特長を最大限に生かしたもので、水平・垂直面はもちろん、湾曲のある建物壁面など従来は設置が難しかった場所にも導入可能だ。国際的にみて日本が最も進んでいるのがこのフィルム型であり、大型化や耐久性といった製品化の鍵となる技術でも海外勢をリードしている。
ガラス型
ガラス型は、透過性のある建材一体型の太陽光パネルであり、ビルや住宅の窓ガラスの代わりとして設置できる。新築はもちろん、既存建築物のガラス建材の置き換えも可能という点で、大きな導入ポテンシャルが期待できる。また、フィルム型と比べて耐水性が高く、耐久性を確保しやすい点もメリットだ。研究開発は、中国はじめ海外勢の勢いが強く、競争は厳しさを増している。
タンデム型
タンデム型は、シリコンとペロブスカイトを重ね合わせた太陽電池であり、理論的にはシリコン系太陽電池を大きくしのぐ変換効率を得ることができる。現在普及しているシリコン系太陽電池からのリプレースが期待されており、世界的に巨大な市場が見込まれている。ガラス型同様に競争が激化してきているが、国内メーカーには原材料の一つであるシリコン調達の問題が立ちはだかる。
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