9月は台風による太陽光発電所の被害が増加、NITEが注意喚起:太陽光
台風シーズンを迎えている日本。製品評価技術基盤機構では例年9月に事故が急増することを受け、台風による太陽光発電所での事故について注意喚起を実施している。
製品評価技術基盤機構(NITE)は2024年8月15日、台風による太陽光発電所での事故について注意喚起を公表した。「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」などに基づき、予防点検や水没対策、飛散防止対策など、事前の備えを行うことを推奨している。
同機構が電気事業法に基づく電気工作物に関する事故情報データベースを用い、2020年度から2022年度の3年間に発生した台風による電気事故を分析した結果、9月に台風起因の自家用電気工作物の事故、特に太陽光発電所の被害が集中して発生していることが明らかになったという。
NITEでは台風接近前の事前対策として、最新の気象情報を確認し、災害時の緊急連絡体制や設備の運用方法について決めておくこと、大雨による被害が想定される場合は、電気設備が浸水しないよう排水口や側溝などの清掃を実施することを推奨している。また、発電設備の周辺にある崖や法面の土砂流出対策も求められる。
強風による被害が想定される場合は、太陽光パネルの固定金具や、架台の接合部のボルトの緩み、その他電気設備の破損や部品の外れがないかどうかを事前に確認する。なお、NITEによると、太陽光パネルが敷地を越えて数百メートル飛散した事例もあるという。
台風通過後の事後対応としては、すみやかな臨時点検を実施し、トラブルが発生していることが判明した場合は、破損した電気設備の撤去、銅線が露出した電線の保護など、適切な処置を行うことを推奨している。
ただし、破損・浸水した電気設備は感電の危険があるため、二次被害を防ぐための安全の確保と、対処にあたっては電気主任技術者などの知見を持つ人材が作業を行うよう呼びかけている。
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