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透明な発電ガラスをサンプル出荷――NTTアドバンステクノロジとinQs:太陽光
NTTアドバンステクノロジとinQsが透明な発電ガラスのサンプル出荷へ。従来のモデルより発電性能を品質を高めた新モデルだという。
NTTアドバンステクノロジとinQsは2024年9月30日、SQPV(Solar Quartz Photovoltaic:透明光発電素子)技術を活用した透明発電ガラスについて、同年11月1日からサンプル出荷を開発すると発表した。これまでのものより発電性能と品質を高めた新モデルとして出荷する。
SQPVは紫外光と赤外光を吸収して発電する素子を活用した技術。可視光は透過するため、一般的なガラス製品に遮熱と発電の機能を付加できる。このコア技術を開発したinQsは2011年創業のベンチャー企業で、NTTアドバンステクノロジは2020年に同社と日本国内独占販売契約を締結していた。
NTTアドバンステクノロジとinQsは、SQPVガラスのさらなる性能向上および品質改善に関する共同研究を進め、発電性能の大幅な向上に成功。30cm角のガラス1枚に対して1セルを搭載していた従来のSQPVガラスをマルチセル化(11×6セル)した他、材料も改良することで30cm角サイズ全体での出力値を向上させた。発電効率は1%で、発電性能は50mW以上(放射照度100W/m2)、可視光透過率は56%以上で、屋内での利用に対応する。
今回この新モデルのサンプル評価品の提供を開始する。また、量産に向け安定供給に向けた体制を整えるとともに、屋外利用に向けて性能と品質の向上や遮熱/断熱性能の評価に取り組み、SQPVガラスの適用領域拡大を推進していく方針だ。
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